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◆◆形式要件を整えること◆◆
特に自筆証書遺言については、全文と日付、名前を自署して押印するだけで証人もいらず非常に簡単なように感じますが、その簡単さがゆえに形式不備で有効・無効が争われるケースが少なくありません。
①自書すること
遺言の全文・日付・氏名の記載全て例外なく自分で手書きすること。
代筆、ワープロ、ビデオ、録音では遺言できません。文字を書くことが困難な状態の場合は、自筆証書遺言の作成をあきらめた方が良いかもしれません。 添え手の補助も争いが生じる原因となる恐れがあるので、やはり遺言者が自力で文字を書くことができない、もしくはそれに近い状態の場合は自筆証書遺言の作成は難しいと言わざるを得ません。
特に、遺言者と同居している親族に有利な遺言を書いている場合、同居していない親族から遺言は偽造されたのではないか?と指摘されるかもしれません。
②日付は正確に書く
「平成19年5月吉日」「平成19年5月」という記載では、日付の記載がないものとして遺言全体が無効になります。
「平成19年の誕生日の日」などという記載ならば大丈夫と書いてある書籍を散見しますが、これは学説上の話ですので、やはり日付は「平成19年5月○日」と正確に記載すべきでしょう。また、誤記を防ぐためにもアラビア数字を使用することをお勧めします。
③割印を忘れない
遺言書が数葉にわたる場合に、遺言書が1通の遺言書と確認できるようにホッチキスなどで留めた場合も全ページにわたって割印を忘れずにしましょう。遺言の中で不利な扱いを受けた相続人は、僅かな欠陥でも指摘してきますから、たかが割印とは考えない方が良いですね。
④押印を忘れない
民法では遺言書への押印を要求していますから、この押印を忘れてしまうと遺言書の有効性が問題となります。実印の使用まで要求されてはいません。裁判例では拇印・指印でも良いという判例がありますが、争いを予防するため認め印で構いませんから、しっかり押印しましょう。
◆◆その他の形式的部分でのアドバイス◆◆
①ボールペンや万年筆を使うこと
鉛筆やシャープペンシルなど、消しゴムでいくらでも補正できるような筆記用具を使うと争いの原因となりますから、消しゴムを使って消すことの出来ない筆記用具を使いましょう。
また、鉛筆を使用すると下書き・草案なのか? それとも本物か?という疑義が生じますので、鉛筆等の使用は避けた方が良いでしょう。
②間違ったら最初から書き直す
遺言書の訂正方法は民法968条2項で定められています。この方式に従わない訂正方法では、遺言の内容について争いの原因になります。以下に民法968条2項の条文を掲載しますが、これを読んで訂正方法を理解できる方はあまりいないと思います。
訂正方法の有効性に争いが生じる恐れを回避するならば、面倒でも最初から書き直した方が良いのではないでしょうか。
※民法968条2項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
③封筒に入れて封をする
自筆証書遺言は、秘密証書遺言と異なり封筒に入れて封をしなくても遺言としては有効です。しかし、封をしておかないと遺言を発見した人が他の相続人から、遺言の中身を改ざんしたのでは? というあらぬ疑いをかけられてしまう恐れがあります。
裁判所での検認手続まで遺言の内容がわからないようにするため、封筒に入れて封をしておくと良いでしょう。また、遺言書の押印に使用した印鑑と同一の印を封筒の封印に使用するとなお良いです。
④遺言書は1通のみにする
遺言書は何通でも書くことができますし、何回でも書き直すことが出来ます。
しかし遺言が何通もあると、その内容が特定の相続人にとって不利なことが書いてある場合、その遺言の有効性が争われる可能性もあります。
遺言は、書く人の意思を示す最後のメッセージです。何通も作成すると混乱を招く可能性が増えますから、メッセージは1通にまとめることが無難といえましょう。
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